用語集

用語集

  • 「飲む点滴」とも言われるほど、栄養価が高く、美容にも良いと言われる甘酒。体力回復にも効果があり、昔から夏バテ対策として夏の飲み物でした。
    甘酒には酒粕から作られるものと、米麹から作られるものがあり、どちらが主流かは、地方によっても異なるようです。
    米麹から作られる甘酒は、60度程度にさましたおかゆに米麹を入れて作るもの。発酵途中の状態ですから、甘くアルコール分はありません。一方、酒粕から作るものは、お酒を搾った副産物ですからアルコール分があって甘さはないため、砂糖などを加えることになります。自分で作るなら酒粕の方が作りやすいでしょう。ただしアルコール分があるので、アルコールを飛ばすこともできますが、子供には米麹の方が良いでしょう。
  • 荒走り・中取り・責め
    清酒となる工程の最後はもろみを搾ること。圧搾機、槽絞り、袋吊りなど、いろいろな手段がありますが、いずれももろみを入れると、重みで自然に滲み出て、流れ出します。この最初のお酒、圧力をかけて搾る前に流れ出るお酒が荒走りです。
    まだ、若々しく、うすく濁った状態で、荒々しさのある味、フレッシュ感あふれる華やかな香りが楽しめます。最初に出る酒ということから、年度最初の季節ものとして、出荷されることも多いお酒です。
  • 一般的には「おりがらみ」と呼ばれることが多く、そう聞けばわかる人も多いでしょう。従来は、酒造りのほぼ最後の工程として、もろみを濾し、どうしても残ってしまう白い浮遊物を沈殿させて取り除く、澱引きという工程があります。この、濾す際に、粗めの布やフィルターで敢えて澱が残るように越したもの。もちろん、おり引きもせずに瓶詰め。火入れの有り無しで味や飲み口もだいぶ変わってきます。
  • 酒造用の米は、蒸した後、麹造り、酒母造り、仕込み用として使用されます。このうち、蒸して冷まし、直接仕込みタンクへ投入される仕込み用の米が掛米です。
    麹米、掛米では、必要とされる要素が異なりますので、別の品種を使うことはよくあり、掛米には比較的安価な食用米も使われます。使用される米全量中、麹作り用の麹米が2割前後、酒母用の酒母米が1割程度、そして、掛米が約7割となりますから、掛米は、味にも影響します。そのため、特定名称酒などには、酒米を使うことが多くなります。
  • 原料となった白米に対する酒粕の量。近年は何かと活用され、注目されて重宝がられるようになった酒粕ですが、なるべく多くお酒にしたい、と造る人は誰しも思うもの。しかし、その年の気候によっては収穫したお米が硬くてよく溶けない、または、麹がうまく仕上がらず米を溶かす力が弱かったりすると、粕歩合は高くなってしまいます。
  • もろみを濾す際に、粗めの布やフィルターで濾し、もろみの固形物を残したもの。火入れしたものを濁り酒、火入れしていない生のままのものが活性清酒となります。火入れのあるなしで、味わいは変わりますが、生のものは常温に近いと発酵が続いているため、開栓時に大きく吹き上げる可能性もあります。冷蔵庫にしっかり保管し、時間をかけて開栓しましょう。
  • 現代では、酒蔵を大きな冷蔵庫のように作り込み、1年中、お酒を作れる環境にしている酒蔵も増えています。こうすることで、夏でも酒造りに適した低い温度にして、年間を通して酒造りができることになります。また、これとは逆の考え方になりますが、現代のようなデリケートな造り方はしていなかったこともあり、冷蔵庫のない江戸時代中頃までも、年間を通して酒造りをしていたようです。ただし、冬に作ったお酒の方が美味しいことから、寒造りの酒は美味しい、という評判になっていったようです。 やがて、高品質な日本酒はさらに気温の下がる真冬に集中して作るようになっていきます。この事もまた、寒造りと呼びます。
  • 官能評価とは、味覚や視覚など、人の感覚により品質を評価すること。本アプリでは、味わいや香りについて専門家による成分分析と評価を独自に行っている。分析に関しては国税庁の所定分析法注解の手法に準じ、官能検査にその結果を反映させています。評価に関しては日本酒造組合中央会の指標に従って表現。香りの高さ〜低さ、味わいの若さ〜濃醇さという4つの基準によるマトリックスをさらに16に細分化し、該当するポイントを示しています。また香りなどの評価用語は外国の方にもわかりやすいように具体的なフルーツの名前などを入れて表現しました。
  • 一箇所の醸造所で造られた純米酒、純米吟醸、純米大吟醸。同じ酒蔵で造られたとしても、途中で場所が変わったり、他の蔵で作られたものを加えた場合は生一本とは呼べません。
  • 味わいでいうとワインの貴腐ワインやアイスワインに似ている。造り方はワインと異なり、通常、モロミを仕込む際、酒母に、米麹、蒸し米、水を入れるが、水の約半分を酒にする、つまり酒で酒を仕込む醸造方法となる。深い甘みと余韻が楽しめ、アペタイザーやデザート酒として楽しめる。ポートワインのようにフルーツやアイスクリームにかけてもおいしい。
  • 生酛造りで作った酒母を使って仕込むこと。雑菌の繁殖を阻止する乳酸菌を自然界から取り込むため、乳酸菌が発生しやすい環境を作って、その発生を待つのが生酛造りです。しかし、その環境作りの作業が、米や米麹を擂り潰すというもので、重労働です。「山卸(やまおろし)」、「酛すり」とも呼ばれ、江戸時代のはじめに完成された醸造方法だそうです。
  • 酸味を上げるため、黄麹ではなく白麹を使ったり、乳酸菌を使って造ったお酒。かつては日本酒にとって酸味は失敗とみなされる原因でしたが、現代ではお肉料理に合うなど、仕上がりによっては酸味のあるお酒も好まれるようになりました。
  • 麹室で麹を作る際に使われる浅い木箱。種麹(麹菌)を振って寝かせた蒸米を小分けにして、切り返し(麹米全体をよく混ぜる)を行った後、5段に重ねて置き、均等に麹が育つよう上下入れ替えて温度管理をします。これを麹蓋法といいます。
    55x34x7cm程度のサイズで、杉や檜などが使われますが、天然秋田杉で底板には手で割った薄い一枚板が使われたものなど、素材の良さと高度な職人の技術を必要としますので、必然的に高価になります。また、麹造りの作業で手間がかかるため、現在は、大きめの木箱を使うか、麹床と呼ばれる室の中の台に広げたまま切り返しを行うことが多くなっています。麹蓋は吟醸酒以上を造る際にだけ使用するという蔵も多いようです。
  • 並行複発酵でじっくりアルコールを作ることもあり、醸造酒の中では19~20度という高いアルコール度を得ることができます。自分の作り出すアルコールで酵母が死滅してしまうため、そのあありでアルコール度数の上昇が止まるのですが、法律上は22度未満までを清酒と呼ぶことできます。そこで、ギリギリまで上げる挑戦をしている酒蔵もいくつかあります。
  • 日本酒は造られた年度内のものを新酒、前年度やそれ以上前に造られたものを古酒と言います。ちなみに、長期熟成酒研究会では、「満3年以上蔵元で熟成させた、糖類添加酒を除く清酒」を熟成古酒としています。
  • 秋も深まると酒蔵の軒に下げられる酒林(さかばやし)。または、杉玉(すぎたま)とも言います。その名の通り、杉の枝・穂先を集めて球体にしたもので、緑の杉玉で新酒ができたことを、やがて枯れて茶色になるとお酒の飲みごろ、ということを教えてくれます。
    酒造りに木桶を使うことが主体だった頃、杉の木で樽を作っていました。微生物を扱う酒蔵にとって、酒造りに不要な、またはじゃまをする菌は天敵。そこで、殺菌・抗菌作用のある杉に思いを託して、下げたともいわれます。
    また、その杉の木で覆われた三輪山をご神体とする奈良の大神神社では、主祭神である大物主大神が杉の葉を束ねたものを酒蔵の軒先に吊したことが起源といいます。11月に行われる醸造安全祈願祭の後、印の杉玉が配られ、全国に送られます。
  • 日本酒の味わいを推し量る際、参考となる数値が日本酒度と酸度です。酸度が強いと輪郭がはっきりしてすっきりとした味わいとなり、低いと米の味わいを楽しめる酒となります。酸度の数値はpH(ペーハー)で表され、日本酒では平均して1.2~1.5〜3となり、高いほど辛くなります。
  • 私達が普段食べている食用米は粘りが強く、程よく味があるものが選ばれていますが、日本酒に使われる酒造好適米と呼ばれる酒米は、粘りが低く、心白と言われる部分が比較的大きいのが特徴です。その中でも、酒米の王様とも呼ばれるのが、山田錦。そのほとんどは兵庫県で作られ、続いて、岡山県、福岡県などでも作られている。その他、五百万石、雄町、美山錦などの酒造好適米が広く使用されているほか、各県独自に開発した推奨米もある。そのため、酒米は80種以上もあると言われている。さらに、技術の向上した現代では、食用米を使っておいしいお酒が造られるようにもなってきました。
  • 歴史的に、日本酒は冬の間に造り、春から出荷し、1年以内に飲み切るというサイクルでした。そのため、1年を過ぎた酒は、古酒、または熟成酒と呼ばれます。ビールやワインなど他の醸造酒と比較してアミノ酸や糖が多く、酒質が変化しやすいため、保存環境が充分ではなかった時代には、常温保存に耐え得る酒、熟成させることを目的に設計された酒が熟成酒として世に出されていました。しかし、貯蔵温度や貯蔵環境に配慮した設備が整ってきた近年では、吟醸系の繊細な香りや味わいをもつ酒や生酒でも、低温保存などで長期間寝かせることができるようになり、よりバリエーション豊かなお酒を楽しむことができるようになっています。
  • 日本酒を仕込む際には、たくさんの酵母が必要となります。そのため、仕込みの際のタンクより小さめのタンクで、良質の酵母を大量に培養します。こうしてできたものが酒母です。酒母は酛とも言いますので、酒母造りのことを酛だてとも言います。
  • お酒を搾った年度内のもの。酒造年度=Brewing Year(BY)は、7月1日から6月30日までを1年間とするためその期間に造って出荷されたお酒が新種となります。つまり、一般的に、秋に仕入れた米でお酒を造り、春までに搾りますから、それが6月までに出荷されたものが新酒となります。
  • 酒造好適米は、米の外側を削る(磨くという)ことで、脂質などの多い部分が除かれ、より雑味が少ない、きれいで品質の高い酒を造ることができます。この際に、どの程度磨いたか、磨きの割合を「精米歩合」といいます。
    例えば、ラベルに「精米歩合60%」とあった場合、40%を磨き落として残った60%の米で造ったということになります。大吟醸では精米歩合が一桁台のものまであります。
    磨けば磨くほどきれいな酒となるが、同時に米本来の旨味が薄れることもあり、最近は、60%、70%、80%と、あまり磨かない米で作られたお酒も増えています。(→参照:特定名称酒)
  • 荒走り・中取り・責め
    責め、責め取り、押し切り、などと呼ばれます。
    中取りが終わった後、最後の圧力をかけて搾ったもの。荒走り・中垂れ・責めの割合は特に規定はなく、杜氏の判断となりますが、責めは最後に高圧をかけて搾る5%程度と言われます。雑味があり、バランスが取れているとは言い難いく、品質が劣るとされますが、その分、旨みや個性の強さをあじわえます。
    あら走りや中取りのように、単独で世にでることはほとんどなく、ブレンドされて出荷されることの多かった部分ですが、近年は、それぞれの味を楽しんでもらおうと、敢えて責めだけを詰めたものも販売されるようになってきました。
  • タンク1本のお酒を仕込むために使われたお米の総量。お米は蒸して使われ、用途によって、麹米・酒母米、掛け米と分かれるが、それらの合計となります。
  • 特定名称酒の場合は、仕込みに使われる米の総量の10%以下と規定されていますが、醸造アルコールや味を補うために糖類といった調味料などの添加物を、仕込み白米の1/2の重量まで加えてよいとされているのが、増釀酒です。普通酒の一つです。
  • お祝いの場を盛り上げる鏡開きなど、樽に数日詰めて木の香りを移して、または、樽詰めして香りを移した後、瓶などに詰め替えて販売するなど、木の香りを楽しみながらお酒を頂くものです。香りが主役となり、味にも影響がありますので、本醸造や純米酒など、手頃な価格帯で、香りのあまりないお酒を使用することが一般的です。
    ホーロータンクやガラス瓶が一般化される以前は、杉の木で作られた樽で酒が醸され、輸送されていました。現代では、逆に杉樽が稀少なものとなっています。
  • 醸造酒の中では、高いアルコール度数を得ることができる日本酒ですが、それゆえに飲みにくいと感じる人もいます。そのため、通常、加水で16度くらいに下げてあるものでも高いと思われケースが少なくないようです。さらに花穂によって濃度を下げることもできますが、水っぽくなる危険もあります。そこで、発酵を途中で止めることで、低濃度のお酒にすることも多くなっています。
  • 大工で言えば、棟梁。蔵元の意向に沿うような酒質の酒を、意向に沿う量を造り上げる最高責任者。同時に、酒造りのチームである蔵人たちを束ね、統率し、面倒を見て、指導も管理もしなければならないため、人間的にも高い人格者であることが求められます。
    酒造りという仕事が、江戸時代中頃に、四季醸造から寒造りに変わり、農林水産業に従事する人たちの冬場の出稼ぎ仕事として定着するようになったという経緯があり、杜氏は、地元から蔵人を招集して、雇用される蔵に入りました。
    現代では、季節労働というシステムが社会の中でそぐわなくなっている場合もあるため、蔵元自ら杜氏を務めるほか、年間雇用の杜氏や製造部長、蔵人などが増え、形態は多様になっています。
  • 輸出されるほとんどの酒は、特定名称酒と呼ばれるもの。質の良い米を磨き上げ、厳しい温度管理を行い、手間をかけて丁寧に造られたお酒です。
    分類には細かな規定のもとに定義された、次の8種類を指します。
    分類上、最も大きな特徴が精米歩合です。精米歩合60%以下が吟醸酒、50%以下が大吟醸、それぞれ、醸造アルコールを添加しなければ純米吟醸、純米大吟醸です。 米、米麹、水だけで造られた純米酒と、そこに醸造アルコールを添加し、精米歩合が70%以下の本醸造は、どちらも精米歩合が60%以下であれば特別純米酒、特別本醸造酒となります。
  • 上槽の際、大きく見ても、あら走り、中取り、責めと、その酒質が変わるように、搾っている途中で、お酒の状態は変化していきます。高級酒では、搾ったお酒をタンクではなく1斗瓶に取り分けるものもあります。そうすると、それぞれの中で酒質の良し悪しを選ぶことができますし、タンクより温度管理がしやすくなります。
    特に出品酒などの際には、袋吊りで圧力をかけずに搾ったお酒の中から、さらに良い出来のものを選んで出します。斗瓶取りは、上槽した酒を斗瓶に受けたもの、そして、斗瓶で保管することを斗瓶囲いと言います。
  • 荒走り・中取り・責め
    中取り(なかどり)・中汲み(なかくみ) ・中垂れ(なかだれ)
    清酒を絞った際に、あら走りの次に得られる部分。圧力をかける前の後半から、少しずつ圧力をかけて搾っていく過程で、あら走りより澄んだ状態で、香りも味も最もバランスのとれた部分。「中取り」とボトルに記してあると、比較的、質の良いものとなります。そのため、鑑評会やコンペティションに出されるお酒は、中取りとなることが多いようです。特に、無圧部分の中取りは、最も品質の良い部分とされます。
  • 上槽後、一切の火入れ(加熱殺菌)をせずに出荷するお酒です。従来は蔵でしか味わえなかった搾りたてのフレッシュさが楽しめます。基本的には、搾ってなるべく早めに出荷しますが、低温で数ヶ月寝かせて、近年、人気のある、夏酒などにも多く見られます。
    酵母や酵素が残っていますので、味の変化とともにガスも発生します。開栓には注意が必要な場合も。また、お酒を劣化させる菌も残っている危険があるため、低温保存が必須となります。
  • 生貯蔵という通り、生のまま貯蔵したもの。そして、出荷の際に火入れ(加熱殺菌)を行います。つまり、通常2回行う火入れを、2回目だけ行ったお酒です。生のまま貯蔵すると、フレッシュで酵素も残ったまま、味が乗っていきます。その味わいが劣化しないようにと、出荷前の火入れをして活動を止めます。略して生貯もと言います。
  • 生詰酒とは、2度目の火入れ(加熱殺菌)をせずに出荷すること。現在は瓶貯蔵も増えていますが、タンク貯蔵して出荷の際に瓶詰めすることが一般的です。1度目の火入れをしていますので実際は本当の生ではありませんが、2度目の火入れをしないことを生と表現したものでしょう。上槽後、1度目の火入れをすることで、お酒を劣化させる危険のある火落ち菌などを殺し、また酵素による酒質の変化が起きないようにして熟成させます。冷卸しなどがこれに当たります。
  • 発酵した醪を粗い目の布やフィルターで漉し、火入れをしたもの。漉していないどぶろくと似ていますが、どぶろくはその他の醸造酒、濁り酒は清酒となります。ちなみに、火入れしていないものは活性清酒となります。
  • 清酒の持つ比重から割り出される糖分率。計測の際の清酒の温度は15℃で行われ、比重が大きくなると糖分が多い、ということになりるが、計測器の浮きのような器具が上がるので、数値としては低くなっていく。逆に、甘さ、辛さでいくと、辛さはアルコール量によるため、アルコール量が多いと比重が軽く、浮きが沈んでいくため、数値は大きくなっていく。だいたいが、0から+—5.0の間にある。
    とはいえ、実際の味は、他の要素も関係するので、数値から一概に甘い、辛いと決めるわけないはいかない。
  • 一般的には、スパークリング日本酒、発泡清酒などと呼ばれることが多いようです。シャンパンのように、火入れをしていない状態に酵母や糖を入れて瓶詰めしてさらに発酵させ炭酸ガスを発生させる瓶内二次発酵のものや、火入れせずに酵母、酵素を残したまま瓶詰めしたもの、発酵途中のお酒を荒めに漉し瓶詰めした活性濁り、火入れ後に炭酸ガスを充填するものがあります。
  • 東京農業大学短期大学部醸造学科酒類学研究室で、中田久保教授らが自然界から酵母を得ようと試みた結果、花から分離することに成功しました。それらをもとに培養された酵母が花酵母です。東京農大花酵母研究会が率先して使用、広めています。ナデシコ、ベゴニア、ツルバラ、シャクナゲなどがあります。
  • 火入れとは、加熱殺菌のこと。長年に渡る職人たちの経験から生まれたもので、室町時代の1560年はすでに行われていたようです。
    方法としては、日本酒を60℃程度で10〜15分加熱することにより、酒の品質を変えることなく雑菌を死滅させることができるというもの。これは、フランスのパスツールが1866年に発見しパストライゼーションと名付けられ、ワインの腐敗防止に応用した低温加熱殺菌と同じ理論です。
    当時の日本酒は現代でいう生酒だったため、劣化しやすいものでした。それが、加熱殺菌できるようになったことで、腐敗させる菌を死滅させ、長期保存ができるようになります。遠方への出荷もできることになった日本酒は、需要が飛躍的に伸びることとなります。
  • 日本酒はだいたいアルコール度数15〜16度で市場に出されます。醸造酒の中ではアルコール度が高く、微生物や細菌は繁殖しにくいのですが、そんな中でも、繁殖して清酒を濁らせ、嫌な酸味を増し、腐敗臭のような異臭を放って飲めない状態にしてしまうのが、乳酸菌の一種、火落ち菌です。
  • 長期熟成酒研究会では、5年以上、貯蔵熟成していたものを秘蔵酒と呼びます。
  • お酒を正しく熟成させた際、多くは香ばしい熟成香が発生してきます。しかし、そのお酒に適した温度や環境で保管されていないと、飲む際に好ましくない、異臭と言える香りになることがあります。火入れしたお酒の場合は老ね香と言います。火入れしていないお酒の場合は、生老ね香と言います。ただ、人によっては香ばしいと受け取ることもあるようです。
  • 冬から春にかけて造られたお酒は、火入れして、順次、出荷されます。春から夏にかけては品質が変わりやすいため、敢えて夏酒として生で出す以外、多くは2度目の火入れをして出荷します。しかし、冬〜春、搾った直後に火入れし蔵で寝かせていた酒を、外気も涼しくなった秋口に、程よく熟した秋あがりの味をそのまま楽しめるように、2度目の火入れをせず出荷するのが冷卸しです。
    しかし、近年は我先にと年々早まる傾向に。そこで、2007年、日本酒造組合の日本酒造青年協議会が、元々の由来である重陽の節句、9月9日を冷卸しの解禁日にしようと提言しました。冷卸しについても、「厳寒期に醸造した清酒を一夏越して調熟させ、秋口に入ってほどよい熟成状態で出荷するもの」と定義。ただし、定義については以降も検討していくとしました。
  • 上槽で、酒を搾る器具。槽、または、酒槽と言いますが、縦長の箱型で、船に似ている形から名付けられました。現代では縦に袋を並べて自動で圧搾する自動圧濾圧搾機が主流ですが、かつてはもっとも一般的だった圧搾方法です。
    もろみを袋に入れ槽の中に積み重ねていき、その自然重力と、上からの圧力で搾られ、下にある垂れ口から流れ出します。とてもシンプルな仕組みですが、全て人力で行うため、大きな槽になると、深いところへ腰を折って並べていかなければならず、きつい作業となります。佐瀬式を、ヤエガキ式などがあります。複数台所有することも珍しくなく、名前としたお酒の「刈穂純米吟醸 六舟」(秋田酒)などもあります。
  • 絞ってお酒になるまでの最後の段階が醪です。仕込み水に酒母、麹を入れて水麹を作り、そこへ蒸米を投入し、撹拌。これが1回目の仕込みとなり、初添えと言います。2日目は「踊り」。酵母に増殖してもらうために休みます。そして、温度に気を配りながら、翌日は「仲」、4日目に「留め」、と2回、計3回の仕込みを行います。
    その後、でんぷん質の米がブドウ糖となり、アルコール=酒へと変わっていきます。留めの仕込みの日から搾るまでが醪期間となり、醪日数は、普通酒で15〜20日、吟醸酒だと低温で35〜40日。醪を搾ると清酒と酒粕に分かれます。
  • 酒造好適米の最高峰とも称される山田錦(やまだにしき)。吟醸造りには欠かせない米と言っていいでしょう。
    そういわれる理由として、飯米の1.3倍ほどもあるという粒の大きさと硬さがあるため、精米歩合をあげても壊れにくい、粒の大きさに伴い心白も大きくはっきりしている、タンパク質が少ないため雑味が少ない、他に比較して溶けやすい、などが挙げられます。そのため、「山田錦を使うと失敗が少ない」とおっしゃる杜氏さんも。
    山田錦は、国家事業として推進された米の品種改良が活発に行われていた大正12年(1923)に、「短稈渡船(たんかんわたりぶね)」、「山田穂」を父母として開発され、昭和11(1936)年に兵庫県立農事試験場で、認定されました。やがて、吟醸ブームの到来に伴い、一躍脚光を浴びることとなります。
    三木市、加東市など特A地区といわれる地域のものが最高グレードとされています。
  • 生酛系酒母造りの方法の一つ。明治の後半、生酛造りの際に行っていた、米や米麹を擂り潰すという作業の代わりに、タンクに張った水に麹の酵素を溶かして水麹を作り、そこへ蒸し米を投入すると、同じ効果があるということが発見されました。そこで、重労働だった山卸の作業を廃止。そうして作られたのが、山卸廃止酛、略して山廃(やまはい)酛。これを使用して仕込むことを山廃仕込みと言います。
  • 日本酒は醸造酒の中でもアルコール度数が高い飲み物です。お水を一緒に飲むことで、アルコール分をやわらげることができ、和らぎ水とも呼びます。洋酒で言えば、チェイサー。アルコール分解酵素の有無や多少の差はありますが、お酒の2~3倍の水を飲むくらいがちょうど良いとされています。